GitLabが「AIパラドックス」という言葉を使っていて、なるほどと思いました。AIでコード生成が速くなる一方で、認証情報の保護など周辺ワークフローが追いつかない状況のことだそうです。ソフトウェア開発の話なのですが、読みながら「これ、社労士業務とまったく同じだ」と感じました。
たとえば、ChatGPTを使えば就業規則の条文案は以前の3倍くらいのスピードで書けます。でも、その後の確認作業、顧問先への説明資料の整理、e-Govへの届出の入力、これらは以前とほぼ変わっていません。AIで速くなった部分だけが浮いていて、前後の手間がそのまま残っている感じです。
先月、顧問先の建設業の会社から時間外労働の上限規制について相談を受けました。2024年4月から建設業にも適用された、いわゆる「残業の上限960時間」の話です。就業規則の変更と36協定の再締結が必要で、複数の書類を整える仕事でした。条文案自体はAIのおかげで早く出せたのですが、その会社の実態に合わせた文言のすり合わせ、経営者への説明、労働者代表の選出確認、e-Govへの入力、これだけで結局丸2日かかりました。
AIで作業の一部が速くなると、その速くなった分だけ「他の仕事も受けてしまう」んですよね。顧問先30社のうち建設業は4社あって、同じ時期に似たような相談が重なりました。早く書けるからといって、受けすぎてしまった自分の判断ミスでもあります。GitLabの言うAIパラドックスは、開発者だけの話ではないのかもしれません。
GitLab 19.0が解決しようとしているのは、コード作成から本番リリースまでの手間を削減することだと記事にありました。つまり、速くなった中心部分に合わせて、前後の工程も含めて全体を整えるということです。この発想は、社労士業務にも応用できると思って読んでいました。
私の事務所で今、周辺ワークフローとして手が回っていないのは以下のあたりです。
AIで個別の文書を速く作れるようになった分、こういう「管理の仕組み」が追いついていません。特に助成金の要件確認は、キャリアアップ助成金だけでも支給額や要件が毎年変わります。2024年度から正社員化コースの支給額が変更されたとき、古いテンプレートをそのまま使って顧問先に伝えてしまった、という経験が一度あります。幸い申請前に気づきましたが、ヒヤリとしました。
妻に「最近また忙しそう」と言われて、確かに子どもの小学校の行事を2回続けて抜けてしまいました。フルマラソンの練習も4月から週1回しか走れていません。忙しさの原因を整理すると、AIで速くなった部分と、追いついていない管理の部分がバラバラに動いているせいだと気がつきました。
GitLabの記事は開発ツールのリリース情報なのですが、「速くなった中心に合わせて、周辺も整備する」という考え方は業種を問わず使えます。私がこれからやろうとしているのは、AIで作成した文書の確認フローと版管理をシンプルなルールで整えることです。特別なツールを入れるより、まず手順を文書化して顧問先ごとのフォルダ構成を統一するところから始めます。
速く走れるようになったなら、その速さを活かせるコースを整備する。マラソンで言えば、シューズだけ新調してコース設定をさぼっているのが今の状態です。
たとえば、ChatGPTを使えば就業規則の条文案は以前の3倍くらいのスピードで書けます。でも、その後の確認作業、顧問先への説明資料の整理、e-Govへの届出の入力、これらは以前とほぼ変わっていません。AIで速くなった部分だけが浮いていて、前後の手間がそのまま残っている感じです。
速くなったのに、なぜか忙しい
先月、顧問先の建設業の会社から時間外労働の上限規制について相談を受けました。2024年4月から建設業にも適用された、いわゆる「残業の上限960時間」の話です。就業規則の変更と36協定の再締結が必要で、複数の書類を整える仕事でした。条文案自体はAIのおかげで早く出せたのですが、その会社の実態に合わせた文言のすり合わせ、経営者への説明、労働者代表の選出確認、e-Govへの入力、これだけで結局丸2日かかりました。
AIで作業の一部が速くなると、その速くなった分だけ「他の仕事も受けてしまう」んですよね。顧問先30社のうち建設業は4社あって、同じ時期に似たような相談が重なりました。早く書けるからといって、受けすぎてしまった自分の判断ミスでもあります。GitLabの言うAIパラドックスは、開発者だけの話ではないのかもしれません。
「周辺ワークフロー」をどこに置くか
GitLab 19.0が解決しようとしているのは、コード作成から本番リリースまでの手間を削減することだと記事にありました。つまり、速くなった中心部分に合わせて、前後の工程も含めて全体を整えるということです。この発想は、社労士業務にも応用できると思って読んでいました。
私の事務所で今、周辺ワークフローとして手が回っていないのは以下のあたりです。
- 助成金の要件確認と申請書類のテンプレート整備
- 顧問先ごとの就業規則改定履歴の管理
- 給与計算チェックの記録と差異メモの蓄積
- 採用書類(雇用契約書・労働条件通知書)の版管理
AIで個別の文書を速く作れるようになった分、こういう「管理の仕組み」が追いついていません。特に助成金の要件確認は、キャリアアップ助成金だけでも支給額や要件が毎年変わります。2024年度から正社員化コースの支給額が変更されたとき、古いテンプレートをそのまま使って顧問先に伝えてしまった、という経験が一度あります。幸い申請前に気づきましたが、ヒヤリとしました。
仕組みを整える番だと感じた
妻に「最近また忙しそう」と言われて、確かに子どもの小学校の行事を2回続けて抜けてしまいました。フルマラソンの練習も4月から週1回しか走れていません。忙しさの原因を整理すると、AIで速くなった部分と、追いついていない管理の部分がバラバラに動いているせいだと気がつきました。
GitLabの記事は開発ツールのリリース情報なのですが、「速くなった中心に合わせて、周辺も整備する」という考え方は業種を問わず使えます。私がこれからやろうとしているのは、AIで作成した文書の確認フローと版管理をシンプルなルールで整えることです。特別なツールを入れるより、まず手順を文書化して顧問先ごとのフォルダ構成を統一するところから始めます。
速く走れるようになったなら、その速さを活かせるコースを整備する。マラソンで言えば、シューズだけ新調してコース設定をさぼっているのが今の状態です。